3年半前くらい私は心の病を患っていました。辛かった日々の中ヨガと出会い、心が少し和らいだ思い出があります。
(当時の記事)それ以来ヨガというものに興味があり、少しずつ学び、取り組んできました。ヨガの資格取得するかどうかという事にも葛藤があり、インド在住時とても悩んでいました。
現在は、理学療法士としてヨガという要素を交えながら伝える事をしたいと思い、以下のような話をさせてもらっています。
現在ヨガは柔軟性獲得やストレス軽減の運動要素が強いものとイメージしがちで、日本だけではなく、世界中で流行っていますが、元々紀元前1500年から歴史があり、ヨガは、自己実現と悟りを達成することを目的とした精神的な鍛錬です。 古典ヨガの方法に、ヨガの八支則とは、ヨガを8つの段階に分けて実践するものがあります。ヨガとは、心の中に止めどなく湧いてくる雑念を止め、心をコントロールするためのテクニックです。これを実践することで、より穏やかで調和の取れた生活が可能になるので、ヨガに興味がある人は一緒に学んでみましょう。
ここでは、八支則のそれぞれを私の経験を交えて紹介します。

1. ヤマ(Yama):社会との調和
道徳的な指針であり、他者や環境との調和を保つための5つの心得があります。
- アヒンサー(Ahimsa):非暴力
他人だけでなく、自分自身にも優しくあること。私は以前、自己否定をしすぎて心を追い詰めていた時期がありました。でも、それも一種の暴力と気づき、優しく受け入れるようにしています。 - サティヤ(Satya):誠実
旅をしていると、自分を飾らず正直でいる方が早く打ち解けると感じます。人に対しても、自分に対しても誠実でいることを大切に。 - アスティヤ(Asteya):不盗
物だけでなく、相手の時間や空間を奪わないこと。海外では時間通りにいかないこともありますが、お互いの余裕を持つことも大切です。 - ブラフマチャリヤ(Brahmacharya):禁欲
SNSや娯楽に流されすぎず、本当に大切なことにエネルギーを使う。私も集中力を維持するのに苦戦しますが、意識的に取り組んでいます。 - アパリグラハ(Aparigraha):無所有
必要なものだけを持つ。旅の途中で、物が多いと疲れると実感しました。物を減らすと、心も軽くなります。
2. ニヤマ(Niyama):自己との調和
自分自身を整えるための5つの心得。
- シャウチャ(Shaucha):清浄
身体や心の浄化。インドのリシケシで見たガンジス川の清らかさを思い出します。 - サントーシャ(Santosha):知足
今あるものに感謝すること。私は感謝ノートをつけて、ポジティブな視点を持つようにしています。 - タパス(Tapas):鍛錬
継続する力。英語の練習を続けたり、毎日のヨガを欠かさないこともタパスの一つ。 - スワディヤーヤ(Swadhyaya):学習
読書などを通して新たな知見を学ぶことで、新しい気づきを得ること。 - イシュワラ・プラニダーナ(Ishvarapranidhana):献身
先祖や自然の恵みに感謝し、謙虚に生きること。
3. アーサナ(Asana):身体を整える
多くの人が思い浮かべる「ヨガのポーズ」。瞑想しやすい身体を作ることが目的で、自分の身体を観察し、完璧なポーズよりも意識や集中が大切。
4. プラーナヤーマ(Pranayama):呼吸を整える
呼吸をコントロールすることで、心と身体を安定させる練習。深い呼吸はリラックスにも効果的。
5. プラティヤハーラ(Pratyahara):感覚を制御する
五感をシャットダウンし、外の刺激から距離を置く。静かな環境で目を閉じて過ごすだけでも効果があります。
6. ダーラナー(Dharana):集中する
一点に意識を向け、雑念を減らす。呼吸やマントラに集中するのが有効。
7. ディヤーナ(Dhyana):瞑想する
深い瞑想状態に入ることで、心を静める。
8. サマーディ(Samadhi):悟りの境地
自己を超越し、深い平和を感じる状態。
ヨガの実践の流れ
まずヤマとニヤマを実践し、アーサナとプラーナヤーマで身体と呼吸を整えます。その後、プラティヤハーラで感覚を内向きにし、ダーラナー、ディヤーナ、サマーディで心の調整をしていきます。
シンプルな日常の中に八支則を取り入れ、穏やかでバランスの取れた生活を目指してみましょう。
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